SDGs Week EXPO 2024

主催者インタビュー

SDGs Week EXPO「開催への想いと背景」を キーマンに聞く

1999年に「エコプロダクツ展」として始まり、現在は、SDGsに関連する技術や製品から社会課題解決までの展示が一堂に会する 「大規模な総合展示会」として発展を遂げてきた「SDGs Week EXPO」。
主催者を代表して、初期から関わってこられた川田達彦氏(日本経済新聞社)に、「開催への想いや特徴」を伺いました。
(以下はインタビュー要約文です。あらかじめご了承下さい。)


SX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)の推進をテーマに

まず、「SDGsWeek EXPO」の名称の通り、持続可能な社会に向けた様々な社会課題の解決の起点となり、 企業生活者、行政/自治体、大学、NPOなど、多様なステークホルダーとの交流と対話を推進し、共に課題解決に取り組む場を提供したいと考えています。
今回のテーマは「SX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)の推進」です。 「SX」とは企業や団体が経営や事業の根本を持続可能性へと転換することを意味しています。この実現には、脱炭素化やクリーンエネルギー、 サーキュラーエコノミー *1  における多様なプレーヤーとの共創が不可欠です。 また、エシカル志向 *2  が広がる中で、消費者や従業員の共感を得て、企業や団体との接点を増やすことを目指しています。


初開催のサーキュラーパートナーシップEXPO

本展示会の大きな特徴は、企業や生活者、特に小中高生など幅広いステークホルダーが一堂に会する点です。 1999年に初開催された「エコプロ」をはじめ、今回は「カーボンニュートラルテック」、「自然災害対策展」、「社会インフラテック」、 「サーキュラーパートナーシップEXPO(初開催)」の5つの展示会を同時開催します。特に「サーキュラーパートナーシップEXPO」では、 循環経済の転換に関する最新情報を発信し、具体的な取り組みを紹介する予定です。
また、会場内には「SXゾーン」や「サステナブルフードコート」など、注目のテーマにフォーカスした企画ゾーンが展開されますので、 ぜひご覧いただきたいと思います。


様々な協力団体と「来場者が持ち帰ることのできるヒントやアイデア」を提供

SDGsの概念は広まっていますが、来場者の課題や関心がより実践的で細分化されているため、すべてのニーズに応えるコンテンツを揃えるのが難しいです。
その為、サステナブル経営推進機構、インフラメンテナンス国民会議など、様々な協力団体と日々ディスカッションを重ね、 協力を得ながらコンテンツ作りを進めています。
SDGsが誕生して約10年が経ち、初期は「みんなで一緒に取り組もう」というマクロな視点が強かったですが、 今は具体的な解決策やパートナーシップの重要性が問われています。企業や生活者それぞれの課題が明確化され、 興味関心も細分化されてきたため、それに応えることが一番の難しさです。
来場者が自分の課題を解決できないと感じることのないよう、幅広く最新の情報を提供することに苦労しています。 関連団体や企業の協力を得ながらコンテンツを構築しています。
全ての問題を解決できるわけではありませんが、来場者が持ち帰ることのできるヒントやアイデアを提供することを目指しています。


来場者が出展者に、世代循環が強み

「エコプロ」では、初期のころから教育支援プログラムを行っており、このプログラムを通じて多くの学生が来場されてます。 今では、小学生の時に訪れた子供が大人になってから出展企業として参加するといったケースもございます。 この「世代循環」は本イベントの強みであり、参加者からのフィードバックも非常に貴重です。
多くの来場者が本イベントのファンであり、時に厳しい意見もいただきますが、そうした声がイベントのさらなる充実に繋がっています。
また、お子さんが楽しんで参加頂けるようなノートを作成して、参加型来場になる工夫を重ねております。


質の高さを重視した「ビジネスマッチング」を創出

本展示会では「SDGs 総合展」としての独自の強みを活かし、幅広い業種の来場者を集める取り組みを行っています。 来場者は新規事業開発やビジネスパートナーの発見を目的とし、高い情報収集意欲を持っていますが、具体的な課題や欲しい製品が明確でない場合が多いです。このような状況は、 出展者にとっては自社の製品やサービスを新たな層に認知させる良い機会となります。
実際に、出展者からは「意外なビジネスパートナーに出会えた」や「製品説明の参考になった」といった声が寄せられており、出展者同士の新たな出会いやフィードバックが得られる場としても評価されています。 コロナ禍を経て、来場者数は回復しつつありますが、質の高い出会いを重視しており、名刺を多く持ち帰ることだけが目的ではなく、自社の認知度向上も目指しています。
また、オンラインでの情報収集が普及した現在、対面でのコミュニケーションの重要性が再認識されています。実物を見たり、直接説明を受けたりすることで、理解が深まるため、 展示会は出展者にとっても非常に効果的な場であると考えています。このように、出展者の満足度向上に向けた取り組みを通じて、より良い展示会の実現を目指しています。


新聞社主催ならではのバラエティーに富んだセミナーを来場者に

展示内容の充実も重要ですが、 来場者は SDGs に関わる専門家の講演をじっくり聞きたいという希望も多いので新聞社主催ならではのバラエティに富んだセミナーを充実させるようにしています。
今回も展示会場の中に5つのセミナー会場を設け、ビジネスパーソン向けのビジネスカンファレンスや、海外の先進的な SDGsの取り組み紹介、 地方 地域での取り組みなど様々なテーマのセミナーをご用意しております。


「自分ゴト」化の推進力に

SDGsの目標達成には、まず社会全体で一人ひとりが「自分ゴト」として取り組むことが重要です。 企業や学校に勤務する方々は、自分だけでなく周囲の「自分ゴト」化を促す役割も担っています。
本展示会では、出展企業の取り組みや成功事例を紹介するセミナーが多数行われるため、自分や自社に活かせるアイデアを見つけていただきたいです。 また、参加者それぞれの考えや成功体験を共有することで、イベント全体に好循環が生まれると考えています。情報収集だけでなく、 メッセージ発信の場としても活用していただければ嬉しいです。
皆様のご来場を心よりお待ちしております。

*1:サーキュラーエコノミー(循環経済)とは、資源の効率的な利用と循環を図り、廃棄物を最小限に抑える経済システムで、資源の浪費を減らし、持続可能な経済発展に貢献することを目指す。
*2:エシカル志向とは、人や社会、地球環境などに対して配慮した考え方や行動を指します。英語の「ethical」に由来し、「倫理的」「道徳的」という意味を持つ。

【編集後記】

interviewee:
川田 達彦(日本経済新聞社 メディアビジネス イベント・企画ユニット事業部 上席担当部長)
interviewer:
中村 賢司 (展示会ドットコム主宰、グローブコム株式会社 代表取締役)


※本記事の一部及び全部の転載は固くお断り致します。
※本記事の著作権は、interviewee、interviewerそれぞれに帰属します。
※本記事の情報は、2024年10月時点の内容です。
※本記事の内容についてのご質問はこちらにお問い合わせ下さい。

■出展社ブースの様子 出展者ブース内のパネルや製品を撮影取材。

【SDGs Week EXPO 2024】の取材件数:62 件 (以下の一覧は法人格省略表示)

三河設備

バンダイナムコテクニカ

土木管理総合試験所

サンローズ

VASU ジャパン

オークネット/MIRAI-LABO

BPLab/ブックオフグループホールディングス

DOWAエコシステム

エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)

東洋アルミエコープロダクツ

スターライト工業

TCL

明治

AGC

日本防災プラットフォーム(JBP)

長大

井戸屋

CBA

digglue

オリックス環境

リンカルジャパン

グリーン・イノベーション ナゴヤ

平和マネキン

パイプライン

平和化学工業所

同愛会

Alliance for the Blue

菅公学生服

SusPla(サステナブルプラスチックイニシアティブ)

リファインホールディングス

LCA Plus - 三井物産

Beeslow

名古屋大学COI-NEXT 地域を次世代につなぐマイモビリティ共創拠点

PINGXIANG CENTRAL SOURCING CERAMIC

テュフ ラインランド ジャパン

資源エネルギー庁

エフオン

海藻バンクコンソーシアム

ほっかいどう企業の森林づくり(北海道庁)

北海道環境生活部

中越パルプ工業

設環境研究所

浩洋産業

Youth Econet

東京都公立大学法人(都立大、産技大、産技高専)

英国ウェールズ政府

ディーセントワーク

JIDA NEXT ECO DESIGN展2024

Publicis Groupe Japan

消費者庁

SUPER PENGUIN

古着deワクチン

エンヴィックス

J&T環境

日本容器包装リサイクル協会

環境再生保全機構

びっくりドンキー

NGP日本自動車リサイクル事業協同組合

レトロバンク

TRIFE DESIGN

ParallelPlastics

水をめぐる大冒険実行委員会

SDGs Week EXPO 2024のみどころ

ブース番号  4-060
三河設備

展示会名:カーボンニュートラルテック
プラスチック製の三角コーンを「紙」に置き換え、CO2 排出量を「43%」削減することが可能な「かみコーン」を展示します。本商品は三河設備が開発し、2025年 1 月から正式に販売する予定のものです。
カーボンニュートラルに貢献するだけではなく、デザイン性を活かし広告宣伝にも活用可能です。
耐水、耐風圧試験も実施済みで、約 1 年放置しても色あせたり、破れる事無く使用出来るので、屋外でも安心して使用可能です。
ブース番号  6-039
バンダイナムコテクニカ

展示会名:エコプロ
バイオマス素材を使用したレジ袋の自動販売機を展示します。
独自技術により袋のロール化を実現し、一枚ずつ払い出す機構を開発しています。
今後はスーパーやコンビニなど今後用途に合わせて受注開発も検討する予定です。
その他、新金種対応がオンラインで実施可能な小型両替機も展示します。
部材等の交換が不要なため、無駄がない、エコな仕様です。
ブース番号  P-01
土木管理総合試験所

展示会名:社会インフラテック
第3期 SIP「スマートインフラマネジメントシステムの構築」に関する説明と、インフラメンテナンスの効率化のため、高速非接触で道路点検を行う取り組みを紹介します。 写真:車載型レーダー(LiDAR 統合解析による道路インフラ維持管理の効率化)
ブース番号  5-032
サンローズ

展示会名:エコプロ
サンローズでは、カーテン縫製工場で排出される、再利用に困難な異物が混入したレース端切れ生地(スパンコール、ラインストーンやラメ糸など)からアップサイクルウェディングドレスの制作し、廃棄物0を目指しています。
また、アップサイクルウェディングドレスを軸として、地元の結婚式場と連携、端切れ生地による結婚式の装飾やウェディング雑貨を製作するなど、サーキュラーウェディングモデルを全国に提案します。
ブース番号  6-019
VASUジャパン

展示会名:エコプロ
SDGs に取り組めるバイオプラスチックを展示します。
なかでも、菌床を使ったキノコの栽培で使われている菌床袋に生分解性能を持たせた、生分解性菌床袋を開発しました。
一般的には、キノコの収穫後は埋め立てによる処分が行われていた菌床を、同製品では生分解して堆肥化させることを可能にしました。
ブース番号  4-035
オークネット/MIRAI-LABO

展示会名:サーキュラーパートナーシップEXPO
診断済み EV(電気自動車)リチウムイオンバッテリーを活用したリパーパス製品流通プラット フォームを紹介するとともに、診断済み EV リチウムイオンバッテリーを活用した自律型ソーラー街路灯 THE REBORN LIGHT smart を展示。
専門リソースや知見の提供やビジネス参入を戦 略的にサポートする「Selloop」も紹介します。
ブース番号  4-041
BPLab/ブックオフグループホールディングス

展示会名:サーキュラーパートナーシップ EXPO
生活者が不要になった衣料品・雑貨を受けとめ、循環循環を図る新しい BOX回収システム、R-LOOP を紹介します。
衣料品と雑貨の両方を回収するのは国内でも珍しい取り組みで、リユースできるモノはブックオフの海外直営店「Jalan Jalan Japan」で販売し、繊維製品は BPLab の「繊維リサイクルシステム」で再資源化につなげ、サーキュラーエコノミーを目指す新しいプラットフォームです。
ブース番号  4-040
DOWAエコシステム

展示会名:サーキュラーパートナーシップ EXPO
ほとんどが廃棄物処分されている、今注目の太陽光パネルやリチウムイオン電池について、効率的に有価金属を濃縮して製錬原料化し、リサイクルしています。
ブースでは、貴重でレアな現物展示をはじめ工場潜入映像などのコンテンツを紹介します。
ブース番号  5-087
エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)

展示会名:エコプロ
再生可能エネルギーの中でベースロード電源として熱い注目を集めている”地熱発電”について、映像やパネル、地熱発電モデルをつかって楽しくわかりやすく紹介します。
また、実験ゾーンでは、地熱発電体験模型の実演や手回し発電機による発電体験を通して、地熱について深く理解できる体験コーナーを用意しています。
ブース番号  5-044
環境省

展示会名:エコプロ
生活者の行動変容・ライフスタイル転換を強力に後押しするための国民運動「デコ活」をテーマとして、窓の断熱性能を高めて省エネで快適な生活を支援する断熱窓、電動部材すべてに次世代半導体材料 GaN(窒化ガリウム)を使用した電気自動車 All GaN Vehicle(オールガンビークル)、再エネ等由来水素サプライチェーンの構築に向けた取組みなど、2050 年カーボンニュートラルの実現に向けた様々な技術の展示や取組みの紹介を行います。
ブース番号  6-044
東洋アルミエコープロダクツ

展示会名:エコプロ
空気からきれいな水をつくる大気水生成機(AWG)を製造販売するイスラエル企業 Watergen 社の日本総代理店として、最大 1,000L/日を造水する GEN-M Pro などを含め同社製品を展示します。
同社製品は 80ヵ国以上で水不足問題の解消に貢献しています。
ブース番号  4-077
スターライト工業

展示会名:企画展 災害対策トイレ展/快適トイレ展
簡単に設営ができる災害用仮設トイレ「クイックハウス」を紹介します。
本商品は、内部が透けずプライバシー保護に優れたイタズラもされにくい構造で、部品も少ないため 5 分程度で設置が可能。
また、女性や要配慮者に優しいスライドドア式の新しい災害用トイレの体験ブースも出展予定です。
ブース番号  4-069
TCL

展示会名:自然災害対策展
海外 43 ヶ国で使われている次世代の消火器具「ファイヤーショーカスティック」は、従来の消火器の課題を解決し、小型で軽量、消火時にも周りを真っ白に汚さず機器類にもダメージを与えない商品です。
くわえて、15 年間メンテナンスフリーで、家庭にも常備しやすい仕様となっています。
ブース番号  6-071
明治

展示会名:エコプロ
チョコレートの原料であるカカオには、有効活用出来ていない部分が多くあります。
カカオ豆の皮(カカオハスク)は、日本で年間約 5000t 排出されていると推定されており、明治は、カカオハスクを新素材としたアップサイクルについて、多くの協業先とともに取り組んでいます。
ブースでは、カカオ豆の皮で作った、チョコレートのような香りのする部屋や大人気「鉄道おもちゃ」を紹介し、児童労働や森林減少など、様々な社会課題を抱えるカカオ産地と向き合い、協業先と取り組むカカオの驚きの使い方を紹介します。
ブース番号  6-066
AGC

展示会名:エコプロ
AGC が「科学漫画サバイバル」のジオ、ピピ、ケイたちと一緒に『「ミライのヒント」をみつける街』を出展ブースに設置。
建物などに使われている身近な素材「板ガラス」の原料や製造方法を学びながら、持続可能な社会について考えます。

■展示会情報  
取材展示会の開催情報です。
情報は公式サイトからの転載になります。

【SDGs Week EXPO 2024】の展示会開催情報です。URLをクリックすると公式サイトが表示されます。

開催期間 2024-12-04~2024-12-06
開催場所 東京ビッグサイト
公式サイト 展示会公式サイト(外部ページへ)
主催者 日本経済新聞社
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