EdgeTech+ 2024

主催者インタビュー

AI/生成AIで加速する事業変革と産業DX

時代と共に進化を遂げながら、新たに「EdgeTech+(プラス)」として開催される展示会の主催者の3名のキーマンに「EdgeTech+(プラス)とは?」をお聞きしました。


一般社団法人組込みシステム技術協会
ET事業本部長
渡辺 博之様

今回の展示会の目的やテーマについて教えていただけますか?

渡辺 :組込みシステム技術協会は、組込み技術の普及や、その分野で活躍されている方々のビジネスマッチングを目的に40年前に設立され、展示会事業は30年以上続いています。
年々少しずつ大きくなり、テーマが変わって来ました。

昔はデバイスや半導体メインでしたが、今はエッジと言われるところから、クラウド、それをつなぐIoT、更にそれを使って何をやるか、色々なテーマをひっくるめてEdge Tech +という名称になりました。


1986年にMST(Microcomputer System& Tool Fair)としてスタートし、組込み総合技術展、IoT総合展、ET&IoT、さらに2024年にEdgtech+ と展示会名が変化して行きます。 その理由について教えて下さい。

渡辺:MSTは最初「マイコンシステムテクノロジー」としてスタートし、デバイス自体に焦点を当てた展示会でした。
2002年に「組込み総合技術展」に改名し、ソフトウェアを含めた組み込み技術全体を扱うようになりました。
その後、IoTが加わり、「組込み技術」と「IoT」を合わせた展示となり、技術の幅がどんどん広がっていき、新たな技術や応用分野、 クラウドなどを取り入れて「エッジ」にテクノロジーをプラスする方向へと進化しました。

一般社団法人組込みシステム技術協会
ET事業本部 副本部長
山田 敏行様

山田 :昔は、ネットワークに繋がらない小さなプリンターやビデオレコーダーなどの組み込み機器が主流で、ソフトウェアも小規模なものでした。
しかし、IoTの登場によりデバイスがネットワークに繋がるようになり、テレビや携帯電話などのソフトウェアが膨大に。
さらにクラウドの世界が加わり、組み込み機器単体の小さなソフトウェアではなく、 非常に大きなソフトウェアに変遷してきました。
その結果、ソフトウェア開発は「組み込みソフトウェア開発」という言葉の範囲を超えるほど大規模化し、展示会もそれに伴って規模が拡大し、さらにAIが加わり、 IoTで機器にネットワークがつながり、ソフトウェアの規模そのものが大きくなり、名前も「EdgeTech+」といった流れになります。


展示会の特徴やハイライトを教えていただけますか?

山田:私たちの強みは、エッジ側の組み込みソフトウェア。
他のAI展示会がクラウドのAIに焦点を当てる中で、我々は組込み機器とAIの融合する展示会で、この機器を開発する方が出展社です。
一般的なAI展示会では、総務や人事、営業など、実際のものづくりに直接関わらない方々が多く参加される一方、我々の展示会は組み込み装置を開発するソフトウェアエンジニアに向けて、 AIやIoTをどのように作り上げるかに焦点を当てています。あくまでマイクロコンピュータを中心として、機器を作る方がコアのお客様。
だから自動車や家電メーカー、コアテクノロジーのお客様です。
我々は、テクノロジーに特化した展示会であるというのが、非常に大きな強味です。
その技術の分野を、オートモーティブにフォーカスさせよう、IoTにフォーカスさせよう、という風に広げてきています。
元々はマイコンにフォーカスして、MSTからスタートしてエッジテクノロジーで大きくなり、そこにIoTが入ってきて、そしてオートモーティブが入ってきて、AIが入ってきて。
けど、コアは変わっていなくて、モノ作りの為のエンジニアが集まる展示会です。


株式会社ナノオプト・メディア
代表取締役社長
大嶋 康彰様

サイバーセキュリティ、AIに力を入れているとのことですが、トピックとなるような出展社又はコーナーを教えてください。

大嶋:今年は、インテル様が出展されます。半導体で言えば、STマイクロエレクトロニクス様などが注目を集めています。
サイバーセキュリティと生成AIは、特設展示ゾーンを設置しました。セミナー会場もサイバーセキュリティに特化した会場を用意しました。
自動車系は、昨年より更に盛り上がっていて、コンピュータ化する車を開発する上でソフトウェアが非常に重要で、そこに特化したソフトウェアに焦点を当てた展示は新しい試みです。
自動車関連の展示会はハードウェア中心の展示会が多い中、ソフトウェアの重要性を強調する独自の企画です。


これまでの展示会での成功事例やエピソードを教えてください

大嶋:直近でいうなら、オートモーティブソフトウェアです。

山田:一つのテーマでずっと続ける展示会が多い中、テーマを増やすのは勇気が必要です。
マイコンから、エッジテクノロジー、IoTテクノロジーという新しい展示会を併設して、そこにオートモーティブソフトウェアを入れていく。
業界的にはかなり先進的な取り組みです。

渡辺:昔はこの中でいう半導体一部だけだったのが、ソフトウェアになり、組込み技術展になり、IoTが入ってITプラスIoTになり更にクラウドも含め、AIも含めてと、段々広がってきています。

山田:ソフトウェア開発というコアを持ちながら、テーマを時代に合わせて変えつつ、お客様の変化に応じて、 顧客のモノづくりに対応できるように展示会を変化させてるというのが強みなんです。
それによって昨年過去最高の来場者数を獲得したというのが、成功エピソードです。
もし、組込みのテーマに固執していたらじり貧になっていたでしょう。
今年はAIが加わりさらに伸びてくるんではないでしょうか。


今回セキュリティを強化されているとありましたが、それは組込みデバイスがネットにつながっていることによってセキュリティ感変わってきているという事でしょうか?

山田:そうです、大きなソフトがあり、クラウドがあり、外から攻撃される入り口が格段に増え、それを誰が担保するかというのは、お客様にとって非常に大きな課題です。
それを、我々もただ物を作ればいいのではなく、安全に担保したソフトウェアの設計方法に変わっていかなくてはいけません。

【編集後記】

プロのエンジニアが3万人以上来場する他に例のない特色を持つ展示会「EdgeTech+」。
本年の開催も、新しい技術と活力にみなぎっているようで、開催が待ち遠しい。


interviewee:
渡辺 博之(一般社団法人組込みシステム技術協会 ET事業本部長)
山田 敏行(一般社団法人組込みシステム技術協会 ET事業本部 副本部長)
大嶋 康彰(株式会社ナノオプト・メディア 代表取締役社長)
interviewer:
増田 愛(展示会ドットコム主宰、グローブコム株式会社)


※本記事の一部及び全部の転載は固くお断り致します。
※本記事の著作権は、interviewee、interviewerそれぞれに帰属します。
※本記事の情報は、2024年6月時点の内容です。
※本記事の内容についてのご質問はこちらにお問い合わせ下さい。

■出展社ブースの様子 出展者ブース内のパネルや製品を撮影取材。

【EdgeTech+ 2024】の取材件数:40 件 (以下の一覧は法人格省略表示)

アマゾン ウェブ サービス ジャパン

Codeer

丸文 クロノスカンパニー

ゴフェルテック

RSP

SiFive

ライズエイト

システムズナカシマ

Mindtech Global

ソホビービー

インフィニテグラ

サイエンスパーク

ディジ インターナショナル

VNEXT JAPAN

伯東

SBクリエイティブ

ジスクソフト

エートスAI

レトリバ

Queue

Furious Green

BCN

コーンズ テクノロジー

ガイオ・テクノロジー

SOUNDRAW

Canonical Japan

ディアイスクエア

テクノプロ テクノプロ・デザイン社

DNVビジネス・アシュアランス・ジャパン

連基 / Geniatech

VR IMAGINATORS

エクシオグループ / NDIソリューションズ

ディギーク

Rimo

矢崎総業

ヒューマンサイエンス

エムニ

BizTech

パーソルクロステクノロジー

エクスモーション

■ EdgeTech+ 2024のみどころ

ブース番号  CR-22
アマゾン ウェブ サービス ジャパン
組込みソフトウェア開発 on AWS
仮想化で組み込みソフトウェア開発・改善の高速化
近年、IoTやAI/MLの普及により、組み込みシステムは複雑化・スマート化が進んでいます。
このような変化に伴い、製品のリリース後も継続的な改善やセキュリティ強化が求められています。組み込みソフトウェア開発においてもサービス開発と同じスピード感で新しいソフトウェアをリリースすることが必要となります。
このソリューションでは、組み込みソフトウェア開発とサービス開発におけるDevOpsをAWSで実現するためのアーキテクチャ・AWSのマネージドサービスを提供します。
ブース番号  BS-03
Codasip
CHERI (Capability Hardware Enhanced RISC Instructions)
世界の脆弱性を半減できる画期的な英国発のソリューション
2011年にMarc Andreessenが"Software Is Eating the World"をウォールストリートJに寄稿してから13年、今の世界はその通りの状態になっています。
一方マルウェアに利用されそうな脆弱性(CVE)は、2022年は約2.5万件、2023年は約5万件、今年2024年は現時点で約4.3万件と、ほぼ倍のペースで増加を続けています。
年初にはホワイトハウスから「非メモリ安全プログラミング言語」の使用に関して警鐘がでました。
未来はRust等の「メモリ安全言語」を活用すれば、脆弱性は減少するでしょう。
しかし世の中のかなりの電子機器、インフラは「非メモリ安全のC/C++」で構築されています。この資産をリファクタリングせず、解決するのがCHERIです。
ブース番号  DG-03
Secondmind
Secondmind適合ソリューション
AIがエンジニアの判断力を拡張、より良い性能を短期間で実現
本製品は、Automotive Testing Expo 2024にて、Alternative Powertrain Test Innovation of the Yearを受賞。
自動車業界では、開発を仮想化し、開発効率とコストを改善する動きが進んでおり、パワートレインの適合プロセスでも、仮想化を進めて効率化する新技術が期待される。Secondmindはその最前線に立ち、ICE(内燃機関)やモーターの適合プロセスにおいて、熟練エンジニアへの依存を無くし、適合期間短縮を実現するAIソリューションを提案。
仮想モデルを使い試作数を減らすことで、開発をスピードアップ、環境的サステナビリティにも貢献。
ブース番号  DD-09
NIRA Dynamics
タイヤグリップインディケーター
車載の路面μ推定ソフトウェア
既存車両のCAN-Busに流れている情報を組み合わせて解析することで、現在装着しているタイヤと路面の間に発生している路面μを推定するソフトウェアです。
最大の特徴は街乗り運転をしているような安全走行中の少ないアクセルレーション(入力エネルギー)でもその時のピークμを推定できる点です。
自動車が実際に滑ってしまうその前に、路面が滑りやすくなりつつあることを検出し車両に知らせることができます。
ブース番号  DM-07
パナソニック オートモーティブシステムズ
生成AIを支えるコア技術(Transformer)の車載適用
組込みTransformer高速化技術
大規模言語モデル(LLM)によるAIエージェント等、生成AIを活用したアプリケーションが今後クルマにも導入されていくと予測されるが、生成AIの主要構成要素である「Transformerモデル」は大規模演算が必要であり、現状、車載ECUへの組込みに最適化されていない。
車載ECU用SoC向けにTransformerモデルの高速化技術をPASにて開発。推論精度を確保しつつ、組込み環境で実用可能な動作速度への大幅な高速化を実現しました。
ブース番号  BY-09
コア
Cohac∞ Ten++
みちびきCLAS・MADOCA・信号認証対応GNSS受信機
・CLAS・MADOCA 測位機能により、国内および海洋やアジア・オセアニア地域でもセンチメータ精度の測位が受信機単体で可能
・特許取得の測位モード「RTK ⇔ CLAS」、「RTK ⇔ MADOCA」の自動切換機能により使用環境に最適な測位を自動で選択 ※1
・2アンテナ使用により、正確に方位の計測が可能
・みちびき信号認証サービスによるスプーフィング ※2 検出機能搭載
※1: RTK:Real-Time Kinematic 外部通信で入手した補正情報を使用してセンチメータ精度で位置を算出する測位方法。 VRS:Virtual Reference Station 方式も含む。
※2: スプーフィング:衛星の配信するメッセージに対するなりすまし攻撃
ブース番号  DB-09
CRI・ミドルウェア
CRI SOLIDAS
ソフトウェアで創る新時代の音響システム
「CRI SOLIDAS」は物理的な回路も含めた音響システムをソフトウェアで構築する新時代のサウンドシステム開発ソリューションです。
音響信号処理を汎用のマイコンやFPGAチップに集約させることで大幅に部品点数を減らすことができます。
これにより製品の小型化と省電力化、量産コストや部品調達リスクの低減を実現します。

■展示会情報  
取材展示会の開催情報です。
情報は公式サイトからの転載になります。

【EdgeTech+ 2024】の展示会開催情報です。URLをクリックすると公式サイトが表示されます。

開催期間 2024-11-20~2024-11-22
開催場所 パシフィコ横浜
公式サイト 展示会公式サイト(外部ページへ)
主催者 一般社団法人 組込みシステム技術協会

■出展者一覧  公式サイト等で公開されている出展社リストです

アマゾン ウェブ サービス ジャパン
Codasip
Secondmind
NIRA Dynamics
パナソニック オートモーティブシステムズ
コア
CRI・ミドルウェア
デンソークリエイト
インテル
イノディスク・ジャパン
北海道庁
エイデータテクノロジージャパン
エイブリック
エイシング
ICOP I.T.G.
カタナコーポレーション
SECO
Codeer
村田製作所
エフィニックス
シリコンアーティストテクノロジー
Teledyne LeCroy
丸文 クロノスカンパニー
リゴルジャパン
レッドハット
イー・フォース
データ・テクノ
アットマークテクノ
グレープシステム
ヨクスル
クレスコ
東光高岳
Wawiwa Tech
インプレス
テクマトリックス
メカトラックス
テレパワー
ダイナコムウェア
CQ出版
NXTech
情報通信研究機構
アヴネット
アポロ技研
ノルディック・セミコンダクター
Toradex Japan
日本大学理工学部 高橋・望月研究室
スマート・ソリューション・テクノロジー
STマイクロエレクトロニクス
芳和システムデザイン
岩手県立大学
筑波大学 山際エッジ・コンピューティング研究室
フタイテン
静岡大学 情報学部 組込みソフトウェア技術コンソーシアム
ロッキー
情報処理推進機構
ブレインズ
ニチコン
ゴフェルテック
ITEN
慶應義塾大学 山﨑研究室
日本ローターバッハ
モリサワ
NTTデータMSE
インターフェイス
近畿大学 ハザード認知情報システム研究室
日本ストラタステクノロジー
日本キャステム
シキノハイテック
ユリ電気商会
ダイセン電子工業
RSP
Himax Technologies
松原工業
日新システムズ
金沢エンジニアリングシステムズ
CDC研究所
プライムゲート
立花エレテック
Quadric
OpenSUSI
内藤電誠工業
ヒロコン
シリコンリナックス
アジャイルウェア
クイックロジック
SiFive
ベリシリコン
内藤電誠町田製作所
ライズエイト
サンライズ・エー・イー
モトヤ
システムズナカシマ
ベリフィケーションテクノロジー
カシオ計算機
メリテック
日立ソリューションズ・テクノロジー
まほろば工房
ユニメディア
コア
Mindtech Global
アイスマイリー
インフォディオ
大阪エヌデーエス
インターネットイニシアティブ
アイティアクセス
セキュアイノベーション
Nozomi Networks
丸紅情報システムズ
日立システムズエンジニアリングサービス
ソホビービー
NTTコミュニケーションズ
オライリー・ジャパン
ファインディ
インフィニテグラ
ブライセン
サイエンスパーク
エンテックス
Suzhou Chaoxian Technology
ゼネテック
SCREENグラフィックソリューションズ
高齢・障害・求職者雇用支援機構 高度ポリテクセンター
ウェブレッジ
NDS Solution
パナソニック システムデザイン
しまねソフト研究開発センター
レリパジャパン
ディジ インターナショナル
VNEXT JAPAN
Topaz
伯東
ギガデバイスジャパン
SBクリエイティブ
ジスクソフト
エートスAI
レトリバ
NR-Power Lab
Queue
コマス
NHK放送技術研究所
DTSインサイト
Furious Green
ラック
技術評論社
BCN
東京都立産業技術研究センター
インコム
wolfSSL Japan
コーンズ テクノロジー
CRI・ミドルウェア
ガイオ・テクノロジー
日本システム開発
サンウェル
SOUNDRAW
キーサイト・テクノロジー
Canonical Japan
TDIプロダクトソリューション
ディアイスクエア
デジタルプロセス
ビジネスキューブ・アンド・パートナーズ
富士通
マツダ
バルテス
The Autoware Foundation
テクノプロ テクノプロ・デザイン社
マスワークス
SUBARU
DNVビジネス・アシュアランス・ジャパン
マクニカ ネットワークス カンパニー
NECグループ
エフィシエント
Sound One
ビースラッシュ
PALTEK / レスター
連基 / Geniatech
ウィンボンド・エレクトロニクス / ヌヴォトン テクノロジージャパン
イマジナリー
サニー技研
丸文 組込ソリューション / ASUS IoT
ユリ電気商会
アルファプロジェクト / アローセブン
CIC
たけびし
Bee
VR IMAGINATORS
エクシオグループ / NDIソリューションズ
ディギーク
Rimo
矢崎総業
ヒューマンサイエンス
エムニ
BizTech
エクスモーション
パーソルクロステクノロジー
東陽テクニカ
エクスモーション
パナソニック オートモーティブシステムズ
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